この日は1泊2日のアカテナンゴ火山登頂ツアーの初日。
宿泊しているペンション田代までツアー会社のシャトルバスが迎えに来てくれる。
シャトルバスで火山の麓へ。合計20人くらいの登山客と、2人のガイドさんでグループが組まれた。
グアテマラ国内からの登山客や、フランスやドイツ、メキシコやカナダから来ている人など様々だった。
また、この時点で標高は2,400mくらいだった。今日はここからベースキャンプまで登っていくことになる。
アカテナンゴ火山はグアテマラ西部に位置する死火山で、標高は3,976mである。
アカテナンゴ火山の隣には活火山のフエゴ火山があり、アカテナンゴ火山のベースキャンプや頂上からは、フエゴ火山の噴火の様子を見ることができる。
麓で昼食が配布され(少し大きめのサンドイッチだった)、
早速登山開始!

まずは急斜面で下が細かい砂利の道をひたすら登っていく。
これがかなりしんどかった。
下が細かい砂利なので、滑りやすく足が持っていかれる。
加えて傾斜が急なので、最初の1時間位でへとへとになってしまった。
それでもなんとか食らいつき、最初の休憩ポイントに到着。
来た道を振り返ってみる。

一息ついていたら、昨日かけられた言葉を思い出した。
ペンション田代にて、アカテナンゴに登ってきていた人からの言葉である。
「アカテナンゴは、終始砂利の道で滑りやすいですよ」
おい、これが永遠に続くのか。
まあ、何とか乗り越えられるさ。
休憩である程度体力を回復させ、
登山再スタート。
これからは森の中へ入っていく。下が細かい砂利の道であることには変わりないけど。


休憩をはさみつつ道をひたすら進んだ。ひたすら先頭集団についていった。
道中、同じグループの人に何度も励まされた。
特に、カナダ人の体力お化けのヤン、フィリップ、オリバー。オリバーの左足にはドラゴンボールの孫悟空のタトゥーが入っている。
「お前登るの早いな、やるじゃないか。ジャパニーズ・マシンだな」
「急がなくても、自分のペースでいいんだぜ。ソンゴクウのようにな。」
彼らには本当に助けられた。彼らがいなかったら途中で折れていたと思う。
彼ら以外にも、
「日本のアニメが好きなんだ」
「四国に行ったことがあるよ。素敵な場所だった」
と、休憩時には多くの人たちと話をすることができた。それらも、僕の気力を回復させる要素になった。
木の中をひたすら進み、グループのみんなについていった。
そして森を抜け、登山は終盤へ。いつの間にか雲の上まで来ていた。
ベースキャンプまであと少し。


登り坂を進み続け、時刻は夕方4時半。
標高3,600mのベースキャンプに到着!休憩含めて5時間くらい登った。
ベースキャンプからはフエゴ火山がはっきりと見える。そして足元には雲海が広がっていた。


ここで夜を明かし、明日の早朝4時半に山頂アタックすることになる。
ここで、希望者は今から隣のフエゴ火山へ縦走しに行けるという。
フエゴ火山はしょっちゅう噴火しているので、安全なところまでだが。
僕はこの時点で体力0になっていたのでベースキャンプにとどまったが、
ヤン、フィリップ、オリバーを含めて約半数の人がフエゴ火山へ向かっていった。
なんでそんな体力残ってんだよ。怪物かよお前ら。
ベースキャンプだが、標高3,600mということもありかなり寒い。
持ってきていたヒートテック、ウルトラライトダウンなどを総動員しても寒かったので、
ガイドさんから上着を一つ借りた。(もともと、無料で貸してくれるシステムだったみたいだ)
そんな間にも、フエゴ火山はしょっちゅう噴火する。ボンボン音を立てて黒い煙を吹き出していた

先程も言ったが、僕はベースキャンプに留まった。
その時、同じくベースキャンプに留まったドイツ人の夫婦と雲海を前にして少し話をしたのだが、
僕が「雲海がきれいだね」と、”Oeacn of clouds”という言葉を使ったら、(英語が正しかったかは不明)
「Ocean of clouds、とても素敵な表現だね」と言ってくれた。
少し嬉しかった。
夜になり、キャンプファイヤーが始まった。
本当に寒かったので、僕にとっては命の炎だった。

しかし、僕はこの時点で体調を崩してしまっていた。
今振り返ると、登山時→ベースキャンプの寒暖差と、登山の疲れが溜まっていたのだと思う。
夜になると、フエゴ火山から吹き出すマグマも見ることができる。
しかし僕はそれを楽しむ余裕がなかった。
夜ご飯が支給されたが、食欲もなかった。

フエゴ火山に行ってきた体力お化けどもが帰ってきた夜の8時頃、
僕はみんなより早めに寝ることにした。
明日早朝の山頂アタックは希望者のみ行く。
行くかどうかは朝起きてから決めようと思った。
そんな感じで初日は終了。
最後まで読んでいただきありがとうございました。